おじさん通信

 ◆ Vol.35 『さんま、サンマ、秋刀魚に関するうんちく』

 秋の味覚を代表する魚(サカナ)はなんと言っても“サンマ”。漢字で“秋刀魚”とは実にうまい表現。秋の月夜にピカッと光るサンマの姿は正に刀のようです。 さんま
 また、太刀魚という魚がいます。あちらが太刀(大刀)なら、やはりサンマは懐からキラリと光る小刀(ショウトウ)といったところでしょうね。

★さんまの名前に関していろいろ
☆サンマは メダカ目・トビウオ亜目・サンマ科・サンマ属の魚でメダカの仲間
☆サンマの学名はCololabis saira(コロラビス・サイラ) と言います。このサイラっていうのは関西でのサンマの呼び名だそうです。これが学名になったのかな?
☆英語ではsaury。そう言えば、なんとなくサイラに語感がにているような・・・。
☆地方によって色々呼名があるようです。
 サイラ、サイリ、サイレ、サエロ、サエラ、セイラ、サヨリ、サザ、カド等
 http://ss.nrifs.affrc.go.jp/arekore/saira/saira01.htm
☆サンマの漢字「秋刀魚」。このような書き方になったのは大正時代からで、その前は「佐伊羅魚(さいら)」、「青串魚(さんま)」などの記述が見られるとか。
 http://www2.famille.ne.jp/~tatunori/unchiku.html#sanma

★さんまという名前の由来
 どうしてサンマという名前になったかは以下の2説がもっともらしい(ただ2説とも出所がはっきりしないので自信は?)。3番目は面白いので紹介。
1)サンマの「サ」は「狭い、細い」という意味。古名の細長い魚を意味する「狭真魚(サマナ)」がサンマになったと言われます。
 http://homepage2.nifty.com/bouhatei/zatugaku,gyomeinoyurai.htm
2)サンマは外洋性の魚で、数百万から数千万尾もの大群で泳ぎ回ります。こうした習性の、大きな群れという意味の「沢」と、魚を意味する「ま」とを結びつけた「さわんま」が名前の由来と言われます。
 http://www.hallo.co.jp/whatsnew/00_09/colum00_09.html
3)サンマの「サン」は「たくさん」の「サン」で「多い」。「マ」は「うまい」の意で、サンマは「沢山うまい魚」ということ。
 この説(話)はちょっと話がうますぎる(^-^)。2)のジョーク版?

★さんまの回遊
 サンマは、15度から18度の水温とエサを追って回遊しています。
 秋から春にかけて黒潮の水域で生まれ、成長とともに北上して夏にはエサの豊富な北海道から千島沖(オホーツク海)へと回遊して脂肪を蓄えます。そして、8月半ば頃からは親潮の流れにのって南下を始め、北海道沖から三陸沖を抜けて銚子沖へ。この間、水温が上昇するにつれて秋刀魚は脂肪の衣を捨てるため、11月末に紀州沖へ着く頃には脂肪が落ちてスマートになってしまいます。

★さんまの獲り方 〜サンマは赤提灯の誘惑に弱い??
 サンマはイカとサバと同じように強い光に集まってくる習性があります。
 この習性を利用して棒受け網という漁法で漁獲されます。
 サンマ船は蛍光燈のように細長い集魚灯をつけ、サンマを集めます。
 集魚灯(白っぽい光)に照らし出された船の近くにサンマが集まってくると、ころあいを見計らって一瞬消灯。面食らったサンマは、光源を求めて右往左往します。そこで集魚灯の光を右舷から左舷に移動させながら群れを一ヶ所に追い込んでいきます。
 ここで出番となるのが丸い集魚灯(赤い光)。「まず白灯でサンマの群れを一点に絞り込みパッと赤灯に切り替えるとサンマもパニック状態。喜んで海面に浮かび上がってきます(サンマも人間も赤いネオンや赤提灯には弱いのかね)。
 集魚灯に引き寄せられたサンマは船と平行に浮いた棒受網ですくい(巻き)上げられ、気がついたら網の中にスッポリというわけ。
 要は船の真横にサンマを浮き上がらせて大きな網で掬い取るわけですよ。
 その網の中から大きなタモですくっていたのですが、最近はその網の中からフィッシュポンプで海水ごと汲み上げ魚倉に入れるそうです。

★さんまのおいしい時期
 8月下旬より親潮に乗って北海道沖より南下するサンマは、脂がのっていますが、餌が十分消化されずに腹の中に残っていますので、鮮度落ちが早く身もしまっていません。
 この具合がよくなるのが、9月中旬から10月上旬に三陸沖を通過するころのサンマです。南下しすぎて静岡県あたりに行くころにはすでに脂はなく、パサパサした感じになっているそうです。
 よく「秋刀魚苦いかしょっぱいか」と言われ、はらわたも食べられるのは、この時期は餌を食わないので内臓に何も残らないためです。ですから、9月中旬から10月中旬頃のサンマが最高というわけです。

★美味いさんまの見分け方
 以下おいしいサンマを選ぶ時の参考にしてみてください。
1)目に透明度があり、赤くなっていないもの(冷凍ものや鮮度の落ちたものは目が赤くなっています)。
2)大きくて、丸々と肥えていて、口先の黄色いものが脂がのっている。
☆メスのほうが美味い
 メスは下あごがオリーブ色で丸味、オスはオレンジ色でとがっています。メスのほうが少々おいしいと言われます。しかし、漁師さんでもちょっと見分けにくいそうです。どっちにしても、とがった口先の吻(ふん)が黄色くなっていれば、間違いなくたっぷり脂ののった美味しいサンマと見ていいですよ。
3)背も腹もぶよぶよせず、はり(弾力)があるもの、身が反り返る形がいい。
4)腹から尻尾にかけて綺麗な銀色の輝きがある。
5)背中に青い光を放つ模様がはっきりしている。 等

★さんまのおいしい食べ方 〜サンマ苦いかしょっぱいか
☆何と言ってもサンマは塩焼きが一番ですね。大根おろしをたっぷりかけて・・・。
 “さんま苦いか塩っぱいか”で有名な佐藤春夫さんの詩(下)にもあるとおり、それにスダチをかけると最高ですね(佐藤さんの故郷は徳島と近い和歌山ですから青き蜜柑の酸はスダチでしょうね)。
“さんま、さんま、そが上に青き蜜柑の酸(す)をしたたらせて、さんまを食ふはその男がふる里のならひなり。”
 〜中略〜
“さんま、さんま、さんま苦いか塩っぱいか。そが上に熱き涙をしたたらせてさんまを食ふはいづこの里のならひぞや。あはれげにそは問はましくをかし。”
 スダチの代わりに熱き涙のかかったサンマの味はどんな味なのでしょうか?

☆落語でおなじみの「目黒のさんま」も塩焼きでしたね。
☆焼く時の注意点としては、ウロコをとること。サンマの場合は「はらわた」はそのままにするので案外ウロコをとるのが忘れがちです。
☆また、水揚げ港付近や築地のすし屋などで食べる「サンマの刺身」「握りずし」もおいしいらしいですね(おじさんは食べたことないが)。
☆昔は干物(サンマの開き)が多かったけど最近は冷凍技術と交通の便がよくなり、新鮮なのが手に入るようになり、都会でも刺身も食べられるようになっていますね。

★さんまは栄養たっぷり 「サンマが出るとアンマが引っ込む」??
 ビタミンA、B2、B12、鉄分も多く貧血の特効薬として栄養たっぷり。また青魚特有の頭の働きがよくなるとか視力向上に役立つDHA(ドコサヘキサエン酸)や、血液中の脂肪、特に中性脂肪とか、コレステロールを減らして、血をさらさらにするEPA(エイコサペンタエン酸)なども多く含まれています。高血圧改善、脳血栓などの予防、癌の予防などにもいいそうです。そんなわけで三陸地方などでは昔から「サンマが出るとアンマが引っ込む」なんて言われているそうです。

◆さんまの余談
★魚屋のさんまは大衆魚、明石屋さんまは大衆芸人?
 ちょっとここで質問。何か違和感を感じませんでしたか?
 大衆芸人というのはちょっと古いですね。大衆芸能人のほうがまだいいですか。
 でも期待した正解は、誤字です。「明石屋さんま」は間違いで「明石家さんま」が正しいのです。
 おじさんも、毎週2〜3回見ているのにうっかり間違えたのですが、よく間違える人がいるようです。Vol.32の蜀山人が大田か太田かしらべたみたいにインターネットの検索エンジンで調べたところ(2002.9.16現在)
*Googleでは
 明石屋さんまが3350件 明石家さんまが19700件 誤字率14.5%
*Lycosでは
 明石屋さんまが1954件 明石家さんまが11589件 誤字率14.4%
*Yahooでは
 明石屋さんまが3290件、明石家さんまはカテゴリーが選ばれ件数は取れず失敗。
 まあ、ホームページを持つような知識人(?)でも約15%の人が間違えるんですね。
 ついでですが牛丼の吉野家も吉野屋(誤)とよく間違えられるようです。同じくGoogleでは35.8%の間違い率でした。(ほんと、余談でしたね(^o^))

 参考:文中のURLのほかに (http://www.cowboy.co.jp/tv/f62/ も参考にさせていただきました。