快適オフィス創造術

 ◆ Vol.9 『オフィスチェアの基礎知識』

 人間は、イスに座っている姿勢より、立っている方が体に無理がかかりません。だから、イスに座るということは、人間にとって実際はとても腰に負担がかかることなのです。そんな人間のことを考え尽くしたオフィスチェアのしくみを知れば知るほど、きっと慎重に選びたくなるはずです。 背筋が伸びた姿勢

■オフィスでの姿勢の誤解
 「背筋をのばしなさい」と親に口うるさく言われて育つのが普通です。そして会社に入れば、オフィスではピンと背筋を伸ばしていることが、真面目に勤務している姿勢と思われていました。事実、一昔前のオフィスチェアの背もたれなんて、添え物程度だったのです。
 オフィスにOA化が訪れても、すぐには変わりませんでした。やや前傾に座り、背筋を伸ばして、腕を宙に浮かした状態でキーボードを打つ、これが良い姿勢とされ、オフィスチェアもこの姿勢をサポートすることに重点がおかれていました。 楽な姿勢

 しかし、ITの波が押しよせ、一日中パソコンに向き合うようになってから、この考え方も変わってきました。今では、オフィスチェアにどっかりと深く座り、背もたれにもたれて楽な姿勢をするのが無理のない姿勢といわれ、オフィスチェアの機能も変わってきました。一見すると、サボっているような姿勢が一番お薦めといっているのです。だから、例え、部下の方が、そんな姿をしてコンピュータに向かっていても、決してサボっているわけではありませんよ。

■オフィスチェア選びの王道

 まずは、イスありき
 「まず正しい姿勢でオフィスチェアに座ってから、それからデスクの高さを選ぶ」、これが理想的なオフィス家具の選び方です。従って、まずは、自分の体に合ったイスを選び、その高さに合ったデスクを選ぶことが理想的です。そうはいっても、オフィスチェアには座面の上下昇降機能がついており、高さの調節が可能ですが、デスクの上下昇降機能はまれです。従って、どうしてもデスクの高さに合わせて、オフィスチェアの座面高を調節しますが、どうしても床にかかとがぺったりとつかない小柄な方は、フットレスト(足掛け)を利用しましょう。
 背もたれに注目
 前述のように、背筋を伸ばした姿勢で、ずっと仕事をしつづけているわけではありません。伸びをしてリラックスしてみたりと、ワーカーは常にいろいろな姿勢をしています。そんないろいろ姿勢を支えるのが、背もたれです。背もたれの善し悪しは、背中全体を支えるというより、腰を支えるかどうかにあります。それが「背もたれ点」(ベルトのあたり)です。ここをしっかり支えるのが、いいオフィスチェアなのです。偉い人は、その機能とは別に背中をおおう立派な背もたれがいるかもしれませんが。
 長く使い続けられるオフィスチェア
 真っ先に汚れるのが、オフィスチェアのクッション。このクッションだけの交換が可能であったり、オフィスチェアの各パーツには、リサイクルや廃棄を考えて材料の表記がされていたりと、長く使い続けるための工夫がされているのが、本物のオフィスチェアです。
 また、オフィスチェアのいろいろな機能をまとめたポケットマニュアルが付いているかどうかも、賢く使い続けるためには、見逃せません。

 次号では具体的なオフィスチェアの選び方や、さまざまな機能について、考えてみましょう。また、あなたが今座っているオフィスチェアもよく見てみましょうね。