自営業者はお金とこう付き合え!
     
◆ Vol.6 『生命保険を活用しよう!』

■サラリーマンと自営業者では保障が全く違う!
 今回は自営業者のリスクマネジメントとして、保険の考え方をお話いたします。

 もともと自ら事業を起こす人は攻めのタイプが多く、保守的な考え方を持つ人は少ないので、生命保険に対しても積極的でないケースが多いようです。
 でも、考えてみれば、自営業者はリスクの固まりです。イザという時に家族が路頭に迷わないためにも、シッカリとした対策を考えていかなければなりません。

 下の表で自営業者とサラリーマンとの保障度合いを比較してみると、自営業者のリスクがよくお分かりになると思います。


自営業者
(国民年金・国民健康保険加入者)
サラリーマン
(厚生年金・健康保険加入者)



国民年金の被保険者である自営業者はサラリーマンと違い、扶養者に万一のことがあっても、遺族基礎年金しか受け取れません。
子供2人を持つケースでは年額約126万円、月額にして約10.5万円(平成13年度価格)です。
厚生年金保険(公務員は共済組合)の加入者の場合は、遺族基礎年金にプラスして遺族厚生年金を受け取ることができます。
※計算式=平均標準報酬月額×7.125/1000×被保険者期間の月数×1×3/4
その他にも大企業であれば、勤務先から死亡退職金が支払われます。
退








借入
サラリーマンは通常、事業のために多額の借入をすることはありませんが、自営業者は事業のために借入をするのが一般的ですので、万が一の場合には負債が残って家族が路頭に迷う可能性もあります。
退職金
自営業者はいつまで第一線で働けるのかを含め老後の設計や退職金を自分で考えていかなければなりません。
退職金
サラリーマンの場合には、退職金(2000万円程度)と老後年金と自己資金(1000万円程度)で、退職後80歳までの老後資金総額7000万円程度は確保できる計算になります。

※現在日本人のゆとりある老後の生活資金は夫婦で月額38万円と言われています。

 自営業には生涯現役でいられるメリットもありますので、このような老後の話を嫌う方は多いと思います。 生涯働く
 上の表では自営業者にとって耳の痛い話ばかりですが、もちろん、今後はサラリーマンにとっても、大企業をはじめとして従来のような退職金制度の見直しを迫られていますので、安心していられない時代です。

 ここで大切なのは、自営業者は会社を保有したり、一時的に大きな金額を手にしたりする機会があるわけですから、そういう時に散財せず、こうしたリスクに備えて最低限の保障を先にカバーしないといけません。イザという時に家族が路頭に迷わないための保障と老後安心な資金を先につくってしまいたいものです。

 では、それぞれの項目について対策を考えていきましょう。

■保険を上手に使ってリスクマネジメント
1、保障について
 現役時期に万が一の場合に備えて、保険金による借入金返済や家族の保障を考えましょう。ただし、資産の増幅にはある程度の期間が必要ですので、保障額を大きくする場合には保険の掛け金も高くなる可能性があります。若いうちは掛捨ての保険などを活用して保険料を低く抑えながら、保障を確保していくといいでしょう。
 さらに、自営業者は働くことさえできれば収入は得られますが、ケガや入院などの際の保険が入るようする必要もあります。
 意外と知られていないことですが、万が一の時に借入れが多くて相続放棄した場合でも、個人契約で保険に入っていれば、その保険金は遺族に入ることができます。
 実際に、この方法で家族が路頭に迷うのを防ぐことができたケースがありました。これは他の財産とは違った保険金固有のものです。


2、退職金
 自営業であっても、ある程度引退の時期を考慮し、そのための準備をしておくことが必要です。会社を保有している場合には会社で契約をして退職金を準備することも税務上有利な場合があります。
 私の考えでは退職金相当分は、基本的には資産増殖法で自分で運用し、足りない部分を保険で補うという方法を考えています。さらに、全て流動的な運用資産で管理していると、肝心な時に目減りしているという事態に陥るため、確定的な資産も築く必要があります。
 保険も法人を受取人にするケースが多いですが、それではイザという時に借入金精算の対象になってしまい、家族に入らないという結果になりがちです。節税目的だけでは痛い目に合うというケースも多々ありますので注意が必要です。
 以上のように保険も有効活用する場面は多分にあるのですが、実際にはよく考えずに加入しているケースも多いのが残念なことです。自営業者の場合は特に、保険を人生設計の一貫として考えて行きたいものです。
(文:三本 勝己 http://www.ifsgroup.co.jp/